輪行紳士&淑女のススメ (転がし輪行、ビニール袋輪行の禁止について)

 Bikeguy管理人ヒサユキです。JR各社で自転車の列車内持ち込み(輪行)時に、「車体の一部が露出した」輪行袋や、輪行袋以外を使用することが認められなくなったようです。これにより、車輪や車体のキャスターを転がして駅構内を移動することや、輪行袋代わりにビニール袋を使用することが難しくなりました。2013年4月から実施されているようですが、私自身は完全収納型の輪行袋を使用しているので気づいていませんでした。

 つい最近、facebook上の書き込みを通じてキウイハズバンドさんのブログを拝読し、この件を知りました。

 JR各社によって微妙に表現や基準は異なりますが、現在は「専用の袋に自転車が完全に収納されている(サドル、ハンドル等が露出しない)」こと等が、ウェブページでも求められています。被せたり、巻きつけるタイプの輪行袋は「完全に収納」されていないので、認められない可能性が高いと思われます。また、ビニール袋などは「専用の袋」ではないので不可、ということのようです。

 自転車を抱えたり担いだりして駅構内を移動するのは大変ですので、最近は「転がし輪行」を活用されていた方も増えていました。遠出先でトラブルが生じた際に、コンビニなどで購入したビニール袋を簡易輪行袋として使用する方もいたことでしょう。それだけに、これを知った愛好家からは戸惑いの声が上がっています。また、このことがあまり知られておらず、実際に自転車を持ち込もうとして止められるケースが起きているようです。ネット上ではJRの対応に不満を述べている方もいらっしゃいます。

 転がし輪行のために自転車や輪行袋を購入した方は出費が無駄になりかねませんし、緊急時の移動手段として鉄道を利用していた方はこれまで通りビニール袋での輪行を認めて欲しいと思って当然かもしれません。でも、JRを責める前にちょっと考えて下さい。今回のような運用基準の厳格化が、なぜ実施されたのでしょうか?

130526_181846s 実のところ、以前から旅客営業規則により、解体または折りたたんで「専用の袋」に「収納」した自転車だけが持ち込めることが定められていましたが、大目に見てもらえていたケースが多かったようです。それが厳格に運用されるようになった経緯には、他の乗客からの苦情や、何らかの事故が生じた可能性が高いと思われます。

 と言うのは、最近は輪行利用者が増えていますし、それ比例して周囲に迷惑をかけるケースが増えているように感じるからです。油や泥で汚れたパーツが露出したり、前輪を外したフォークの先端が飛び出したりしていれば、迷惑や危険を感じる方も多いでしょう。また、後輪を外さないで収容できる輪行袋も出回っていますが、これは従来のものに比べてかなり大型になる上に、横置きでないと安定しないケースが多いようです。床面積の大きな輪行袋を明らかにじゃまになる場所に放置したり、他の乗客に対し横柄な態度で臨めば反発されるのは自明です。

 もちろん、大多数の利用者は周辺に配慮した輪行を楽しんでおられると思います。とは言え、最近は土日に大阪から新快速に乗ると、各車両に2~3台の輪行袋が載っているケースも珍しくありません。数が少ないうちは大して迷惑にもなりませんが、これだけ増えるといくら配慮していてもじゃまに感じる乗客が増えることは否めないでしょう。

 振り返って見ますと、長らく競輪選手にしか認められなかった輪行が、JCA(日本サイクリング協会)会員にのみ認められるようになり、1984年からは非JCA会員にも開放されました。私が初めて輪行をしたのは、ちょうどその頃でした。だれでも輪行ができるようになったとはいえ、手回り品切符(当時は250円)の購入が義務付けられいました。JR各社が条件を緩和し、手回り品切符の購入義務がなくなったのは1999年のことでした(私鉄は各々で規定)。

130526_163928s 以降はJCAの年会費も必要なく、手回り品料金を取られることなく、あんな大きな荷物を持ち込んで鉄道で移動できるようになりました。そしてこれは鉄道会社が進んで実施したことではなく、署名活動などを通じて多くの自転車関係者が尽力した結果、認めてもらったことなのです。現在の輪行環境は、往時を知る人間にとっては非常に恵まれており、逆に言えば問題が生じればいつでも取り消されかねない優遇処置なのです。

 今回、輪行の普及に逆行する動きが生じているのは、本当に残念です。これ以上の逆行を防ぎ、大多数の乗客から追い出されないために、私は輪行利用者のマナー向上を進め、それにより他の乗客や鉄道会社に理解を得ることが必要だと考えます。

 ついてはこの機に『輪行紳士&淑女のススメ』を提唱します。内容については、単独で短時間で考えたものですので、抜けや偏りが多いと思われます。今後、加筆修正していきたいと思いますので、輪行利用者や一般の乗客の皆様のご意見をお聞かせ下さい。まずは草稿とお考え下さい。


■輪行紳士&淑女は気持よくあいさつ。譲ってもらったらお礼を。迷惑をかけたら謝罪を。

同じ行為でも、コミニュケーションの有る無しで印象はまるで違います。周囲とより良い関係を築くために、何より強調したいポイントです。

 

■移動や置き場所は周囲のじゃまにならないように。倒れないようきちんと固定し、目を離さない。

私の大学の先輩は「乗車は先頭か最後尾車両。乗車中は基本座らず自転車の横で押さえてる。到着後の移動は人の流れが収まってから」をモットーにされています。このくらいの心意気が欲しい所です。

 

■輪行サイズはできるだけ小さく。車体やパーツをはみ出させない。 同行者が多い場合は車両を分散する。

前項をもう少し具体的にするとこうなります。フォークを抜く古典的な輪行方法がコンパクトになるので理想的ですが、せめて専有する床面積を小さくするために、縦長に立てられる輪行方法を取りたいものです。輪行袋からのはみ出しを防ぐのは最低限のマナーです。状況にもよりますが、同じ車両にたくさんの自転車を積まないほうが良いケースが多いでしょう。

 

■安易にビニール袋輪行をしない。非常時に備えて輪行袋を持参。

緊急時でもビニール袋輪行は避けるべきです。facebookで今回の規制に触れた際に「本人にとっては緊急でも、周りの乗客には関係の無いことです」との意見も頂きました。これは至極もっともなことです。輪行する可能性があるなら、必ず輪行袋を携行する。輪行袋がないなら、鉄道を使わずに自力で何とかする。その覚悟が必要でしょう。  


 まずは上記4項目を挙げてみました。他にも「解体・組立て作業は周囲のじゃまにならない場所で、梱包資材などのゴミを放置しない」「輪行袋は周囲に不快感を与えないようにいつもキレイに」といった項目も考えましたが、あまり細かくなっては、重要な項目の印象が薄くなってしまうので割愛しました。この辺りは、輪行紳士&淑女の良識にお任せしたいと思います。

 最後に極論を言えば、大きな袋を持ち込むことや、ゴミ袋で輪行すること自体が必ずしも「迷惑・危険」である訳ではないと思います。運搬や置き場所などに充分配慮して、混雑していない車両に持ち込む分には大きな問題は無いでしょう。だからこそ、今までは原則は規定されていても、実質的に規制されていなかったのです。

 しかし、一旦「規則」になってしまうと、実質的に問題のない状況でも行動が制約されてしまいます。規則違反は論外ですが「規則だけ守ればいい」という態度も、規則の詳細化、厳格化を招きます。自らの首を締めないよう、周囲への配慮をお願いしたいと思います。そして決まってしまった規則は、必ず順守するようにしましょう。

 今回のような残念な逆行もありますが、一方で輪行不要のサイクルトレインの導入など、自転車と鉄道を結びつける動きも、各地で活発化しています。自転車乗りがより便利に鉄道を利用できる環境の実現のために、皆さんのご理解とご協力をお願い致します。

この記事を書いた人

ヒサユキネット担当/商品開発/営業/経理/雑用係Twitter:@mouko3
自転車歴は30年近く。高校時代の日帰りツーリングに始まり、大学時代は日本中をキャンピング装備で東奔西走。現在は13回連続ノリクラ(全日本マウンテンサイクリングin乗鞍)出場中。坂好きですが、のんびりツーリングも大好き。現在の主力自転車は、オーダーフレームのクロモリバイク「猛虎四號」。ユニコではネット関連を始め、商品開発、広報、経理から日々の出荷作業まで、雑多な業務に追われる毎日。
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